「桐生さん!春香さんを殺したのは、そこにいる洋佑です……っ!」
──この時、私は洋佑ではなく、桐生さんを選んだのだろう。
ただ伝えたくて。ただただ、真実を伝えたくて……。
でも、桐生さんは特に驚いた様子を見せないまま、洋佑から金属バットを取り上げ、洋佑の腹に向かってひと突きさせた。
腹を抱えて丸くなってえづく洋佑に、桐生さんは金属バットを振り上げて──振り下ろした。
「ぐっ、あ……っ?!」
苦しそうな声を出す洋佑。桐生さんは金属バットを振り、付着していた血を弾き飛ばした。
「……篠原さん。そのことなら、すでに知っている」
「えっ……?!」
桐生さんの口から出た言葉に、私は目を丸くする。だって、すでに知っていただなんて……。
もしかして、桐生さんは……洋佑がこういう人だって分かっていたから、洋佑から私を遠ざけさせるために、私を誘拐したっていうのも一理はあるっていうこと……?
「なん、で……お前が、春香のことをっ?!」
──ああ、そっか……。洋佑は、春香さんの元・恋人が桐生さんだとは知らなかったんだ……。
──この時、私は洋佑ではなく、桐生さんを選んだのだろう。
ただ伝えたくて。ただただ、真実を伝えたくて……。
でも、桐生さんは特に驚いた様子を見せないまま、洋佑から金属バットを取り上げ、洋佑の腹に向かってひと突きさせた。
腹を抱えて丸くなってえづく洋佑に、桐生さんは金属バットを振り上げて──振り下ろした。
「ぐっ、あ……っ?!」
苦しそうな声を出す洋佑。桐生さんは金属バットを振り、付着していた血を弾き飛ばした。
「……篠原さん。そのことなら、すでに知っている」
「えっ……?!」
桐生さんの口から出た言葉に、私は目を丸くする。だって、すでに知っていただなんて……。
もしかして、桐生さんは……洋佑がこういう人だって分かっていたから、洋佑から私を遠ざけさせるために、私を誘拐したっていうのも一理はあるっていうこと……?
「なん、で……お前が、春香のことをっ?!」
──ああ、そっか……。洋佑は、春香さんの元・恋人が桐生さんだとは知らなかったんだ……。



