純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

「でも分かってくれ。カッとなって殺っちゃったけど、これも里桜のことを愛しているからなんだ。あのまま生かしておいたら俺と里桜の仲を色々と邪魔をしてきそうだったし、心配をかけるぐらいなら死んで心配をかけさせない方がいいかなって。だから、な? 分かってくれ」


 分からない、分かりたくない!

 ……ああ。バカだな、私。桐生さんに助けを求めたって、桐生さんは私がここにいることを知らないのだから、全くの無意味だというのに……。


「っ?!」


 地につけた手が雨水でズルッと滑り込み、私は膝を強打する。これ以上、後退できないことを悟った。これ以上、洋佑から逃げられないことを悟った。


「2人だけの結婚式を挙げよう……愛してるよ、里桜」


 洋佑はうっとりと妖しく微笑み、グッと手に持っている金属バットを握り締め、私に向かって振り上げた。私は反射的に目をつむる。


 ──ガッ!!!


「うっ……」


 金属バットによる、悲鳴を上げるであろう程の強烈な痛みが足に――ない。

 自分の足に、痛みがない。それに、声を出したのは、私じゃない。

 意味が分からずに目を開けると、目の前には、本来ここにはいないはずの桐生さんが、いた。