純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

 突然怒鳴り散らす洋佑に、恐怖のあまりにビクッと身体が震えた。


「里桜も俺の愛を受け入れてはくれないのか? あの女みたいに俺を拒絶するのか?」


 洋佑の言葉を聴きたくなくて、私は無意識に両耳を手で塞ぎ、ただただ首を左右に振り乱す。そのたびに、濡れた髪を滴る雫が辺りに飛び散った。


「あの女を殺して傍に置いておこうとしたが、偶然その場に人がやって来やがって俺は逃げ去るを得なかった……。あの女は!春香は!偶然やって来やがった人に発見され、俺のもとから離れていったんだ!」

「──えっ?」


 私は、洋佑の言う言葉の1つに、首を左右に振り乱すのをやめた。両耳を押さえる手の力が弱まる。


「……“春香”……?」


 聞き間違いだと思いたかった。聞き間違いだと、思おうとした。けれど──。


「そうだ、春香……“小野町春香”は、当時いた彼氏を裏切ってまで俺を選んだかと思いきや、俺の愛を受け入れてはくれなかった糞女……。最後、なんて言ったと思う? “助けてください”だってよ? 意味分かんね。愛しているから殺すのに、助けもクソもないだろっつーのに」


 聞き間違いじゃなかった。