純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

 洋佑の手が私に伸びてきたために恐怖のあまりにあとずさるものの、雨に濡れた地面に足をとられ、私はその場に転んでしまった。


「あはは!かわいいなァ、里桜は。足元には気を付けないとダメだぜ?」


「いやぁ!来ないで!」


「照れてるの? 分かった、分かった。時間はあるし、“まだ”近付かないよ。

 ──なァ、里桜。『愛』ってなんだと思う? どんなものが愛と思う? 桐生一夜がどんな思いで俺の里桜を誘拐して監禁したのかは分からない。けど、それも1つの愛の形だと俺は思うワケ。

 愛しくて愛しくて自分の側においておきたい気持ちはよく分かる。俺だってそうだ、里桜を常においておきたい、だってこんなにも俺は里桜を愛してる。

 でも里桜は里桜だ。誰がなんと言おうと俺の里桜だ。なのにお前は俺をおいて誘拐された、俺の許可もなく誘拐された。いや、「許可をください」ってお願いされたっておろさないけど。少しの間といえど俺じゃない男に誘拐された。そう、お前は俺を裏切ったんだ。俺はこんなにも里桜を愛してるのに……!」


 次から次へと言葉を紡ぐ洋佑に圧倒されて、私な口は自然とぱくぱくと動く。