純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

「お前、強くなったんだな……。一度泣き出したらなだめるまで泣き止まないのに……」


 洋佑は未だにしゃがみこんだまま……俯きながら、ポツリとそう言った。私は褒められたものだと思い、照れ隠しのつもりで笑みを浮かべる。

 ……しかし。



「実に……実に、つまらねェなぁ……?」


「………………え?」



 聴いたことのない洋佑の声音と、思ってもいなかった台詞に、私は思わず聞き返す。

 よう……すけ……?なに、今の声。怒っているの?どうして?なに、今の台詞。どういうこと、なの?


「つまらないって言ったんだぜ……里桜」

「えっ。……え?」


 空一面に雲がまんべんなく覆いかぶさり、辺りはだんだんと暗くなっていく。

 洋佑は俯いたまま立ち上がり、そしてゆっくりと顔をあげる。

 完全に顔をあげるのと同時に雷が鳴り響いたのだが、その雷光によって照らされた洋佑の顔はまさに――【狂気】、そのものだった。

 洋佑の目を見開いており、口角をあげてニタリと笑っている。


「っ?!」


 目の前の洋佑の変わりように、私は言葉が出ない。そんな私を嘲笑うように、ポツポツと……やがてザーザーと、冷たい雨が降ってきた。