「あー……、昨日、桐生一夜のバイト先の店でソイツが怪しいと思ってさ、後をつけてみたんだ。直感で里桜がいるって分かって、今日、金属バットを片手に乗り込んだ。そうしたら、本当に里桜がいた」
直感って……。その直感が外れていたら、どうするつもりだったんだろう。でも、当たっていたし、その点についてはおいておこう。
「そっか……ありがとう」
もっと喜ぶべきなのは分かっているんだけど……ダメ、やっぱり喜べない。桐生さんのことが、頭の中をグルグルと駆け巡る。思考を切り替えようと、私は再び洋佑に話し掛けた。
「ね、ねえ。みんな、やっぱり心配してる……? お母さんやお父さん、元気?」
──気が付けばそこは、人が全く通らない道だった。
洋佑はピタリと走るのをやめたため、私もそれに合わせて走るのをやめた。
突然足をとめたがために息切れを起こしてしまい、自らの膝の上に手を置き、息を整えようと何度も息を吐いたり吸ったりを繰り返す。
「ど……した……の?」
「……」
洋佑は私に背を向けたまま、何も言わない。
……もしかして、お母さんやお父さんに何かあったのだろうか……?
直感って……。その直感が外れていたら、どうするつもりだったんだろう。でも、当たっていたし、その点についてはおいておこう。
「そっか……ありがとう」
もっと喜ぶべきなのは分かっているんだけど……ダメ、やっぱり喜べない。桐生さんのことが、頭の中をグルグルと駆け巡る。思考を切り替えようと、私は再び洋佑に話し掛けた。
「ね、ねえ。みんな、やっぱり心配してる……? お母さんやお父さん、元気?」
──気が付けばそこは、人が全く通らない道だった。
洋佑はピタリと走るのをやめたため、私もそれに合わせて走るのをやめた。
突然足をとめたがために息切れを起こしてしまい、自らの膝の上に手を置き、息を整えようと何度も息を吐いたり吸ったりを繰り返す。
「ど……した……の?」
「……」
洋佑は私に背を向けたまま、何も言わない。
……もしかして、お母さんやお父さんに何かあったのだろうか……?



