振り上げては、振り下ろし。振り上げては、振り下ろし……。
何度も何度も振り上げては振り下ろしを繰り返し、やがて、鎖の一部は粉々に砕けて、まだ手足に鉄枷がはめられているものの、自由の身になった。
「ありが……と……」
「大丈夫か? 立てるか?」
洋佑は、金属バットを持っていない方の手を私に向かって伸ばしてきて、カタカタと小さく震える私の手を掴み、無理矢理立たせた。
久々に触れた洋佑の手は暖かくて、安心する自分がそこにいた。
「ま、待って……!」
けれど、私は、反射的に洋佑のその手を振り払ってしまった。洋佑は目を見開き、驚いた表情をこちらに向ける。
長い間ここに監禁されて、私が早くここから出たいと思っていると思っていたがために、振り払われたことが意外だったのだろう。
「どうした……? あ、学校の鞄か? それなら、ほら、ここに置かれてある!持っていくから、早くここから出るぞっ!」
「え、そういう意味じゃ──」
私が言おうと口を開いたけれど、それを遮るようにして、洋佑は私の手を掴んで走り出した。
玄関の扉を開けっ放しに、洋佑は私の手を掴んだまま走り出す。
何度も何度も振り上げては振り下ろしを繰り返し、やがて、鎖の一部は粉々に砕けて、まだ手足に鉄枷がはめられているものの、自由の身になった。
「ありが……と……」
「大丈夫か? 立てるか?」
洋佑は、金属バットを持っていない方の手を私に向かって伸ばしてきて、カタカタと小さく震える私の手を掴み、無理矢理立たせた。
久々に触れた洋佑の手は暖かくて、安心する自分がそこにいた。
「ま、待って……!」
けれど、私は、反射的に洋佑のその手を振り払ってしまった。洋佑は目を見開き、驚いた表情をこちらに向ける。
長い間ここに監禁されて、私が早くここから出たいと思っていると思っていたがために、振り払われたことが意外だったのだろう。
「どうした……? あ、学校の鞄か? それなら、ほら、ここに置かれてある!持っていくから、早くここから出るぞっ!」
「え、そういう意味じゃ──」
私が言おうと口を開いたけれど、それを遮るようにして、洋佑は私の手を掴んで走り出した。
玄関の扉を開けっ放しに、洋佑は私の手を掴んだまま走り出す。



