純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

「ぁあっ?!テメェ、いきなり何をしやがる……っ!」

「聞こえていないのか? 俺は彼女に触れるなと言ったんだ。今すぐに彼女から離れろ」


 おそるおそる、桐生さんの方を向いた私の身体は、ぶるりと震えた。

 ……冷たい目をしていた。見るものすべてを凍り付かせるような、そんな冷たい目をしていた。

 吹っ飛ばされた男性の存在を知った周りの人が、何事なのかとざわざわと騒ぎ立てているけれど、この事態を丸くおさめる方法を、私は知らない。


「ゴチャゴチャとうるせー野郎だな!今すぐに黙らせてやるよっ!」


 そう言った男性の2人は、懐からナイフを取り出し……た……って、ええっ?!あなたたち、そんな物騒なものを持っていたのっ?!危険すぎるよっ!


「やめてくださいっ!こんな……っ」


 とめようとした私の前に、桐生さんの制止の手が伸ばされた。大丈夫だから安心しろっていう意味なんだろうけれど……大丈夫な状況じゃないよ、こんなの!


「やる気だな?!待っとけ、すぐにズタズタにしてやる……よっ!」


 男性たちは同時に桐生さんに襲い掛かってきた。