「電車乗り遅れたら圭人のせいだから」

「げ、マジかよ。…って、まだ大丈夫じゃん」


携帯の時計を見てホッとした顔を見せる圭人に、梨帆は「まーね」と呟くと、次に私の方を見て口を開いた。


「でも、珍しいね。
沙菜が自分から、『遊びに行こう』って私たちを誘うなんて。

しかも、遊園地~!」

「そういえば、そうだよな。
いつも言い出すのは、沙菜以外の誰かだよな」


はしゃぐ梨帆に、ポケットに手を突っ込みながらそう言う陸。

みんなが何か言うたび、白い息が現れては消えていく。