「沙菜ぁ?」 「あ、ごめんごめん。どれ?」 「これー」 梨帆が指差した先のガビョウに指をかけて、取れないか試みる。 「んーっ! 固い… どんなけ押し込んだのよ、これ」 「だよねぇ」 「んーーっ! くっ…」 もう一度、力を込めてぐいっとガビョウを回しながら手前に引いてみた。