「沙菜、さっきからぼーっとして…何かあったのかよ? おーい、沙菜? おーい!」 陸が呼ぶ声なんて、私の耳には、少しも届いていなかった。 …さっき、“死神”がいたところに、黒い羽のようなものが落ちていたから。 ……夢なんかじゃ、ない。 そう、確信した。 ―― 死ぬ、んだ 。 私か…、 陸か梨帆か、圭人が。