「大丈夫ならやるぞー! 今度は落ちんなよ」 「えー、俺大丈夫じゃない・・・」 「よし、やろー!」 圭人のぼやきは、梨帆の声にかき消される。 声をかき消されて更にうなだれる圭人を見て思わず笑みをこぼしていると、 近くに居た陸が、 「沙菜は大丈夫か?」 と、心配そうに問いかけてきた。 「うん、ほんとにごめんね」 私がそう答えると、陸は微笑んで、 「なら、良かった」 と、私の頭に手を… …のせようとしたところで、笑顔のまま、ピタリと固まった。