「アハハハ――」

「ウケる〜」


爆音で音楽が流れているCLUB内で、修也たちが酒を飲みながら話している。

俺は盛り上がっている修也たちの横で、ひとり酒を飲んでいた。





「奏どした?なんか元気ないじゃん」


声をかけてきたのは修也。

ちょっと酔っ払っているのが、話し方ですぐわかる。





「んー‥別に」

「なんだなんだ?悩みか?それだったら俺に何でも話せよっ!俺たち親友だろ!」

「悩みなんかねえよ(汗)ただ…」

「“ただ”?」

「………」


俺は一瞬…言葉を詰まらせた。




「奏…?」

「修也、お前さ…」

「え…?」



「“聴覚障害者”って…会ったことある…?」






「は……?」





俺の言葉に、修也は不思議そうな顔をした。







「ごめん、忘れて(汗)」


俺は酒を持って立ち上がり修也から離れると、CLUBで知り合った女友達の元へ向かった。






「奏――♪」

「おう」

「今日“行く”?」


“行く”とは…この場合“ラブホ”(ラブホテル)という意味。