君の声がききたい

その子が言いたいことを理解した俺は、その子にペンを渡す。



《もう食べ終わったから大丈夫!》


その子はそうノートに書くと、俺にペンを差し出してきた。




「あ…その器・・」

「………?」


ちらっとその子が食べたあとの昼メシの器を見ると、その器は見覚えのあるもので…

そんな俺を見たその子は、器に何かあるのかと、器を不思議そうに見つめた。




「それ…3色丼!」

「………」


……あ。

思わず口に出ちゃった(汗)


俺は、早速ノートにペンを走らせる。





《その器、3色丼だよね?》


俺が書いた質問を読み、その子は頷く。



《やっぱり!3色丼うまいよな。》


またその子は頷く。



《俺、よくそれ食べるよ》


その子は再び頷きながら、なにか言いたそうな顔をした。

俺は持っているペンをその子に差し出した。




「………!」


すると、その子は思い出したようにカバンを探り始める。

そして、カバンからもう一つペンを出して、俺にちらっと見せたあとそのペンでノートに書き始めた。





《私もよく食べるよ!3色丼おいしいよね》