母がいない生活にも慣れた頃、美津の胸は膨らみ始めた。 しかし、ブラジャーを買いたいなど父には恥ずかしくて言えなかった。 学校から家に帰って、父に黙って母に電話を掛ける。 母に会うときも電話を掛けるときも、まず先に父に言うこと。それが父との約束だった。 それを破ってしまった。 罪悪感を感じながら、母にブラジャーを買いたい旨を伝える。 母は快く承諾してくれ、次の日曜日に一緒に買いに行くことになった。