美桜里はあの瞳が嫌いだった。 何もかも見透かしたような卑しい目つき…。 あの男は美桜里が混血だと気付いているだろう。 何故、混血だという事が知っているかは分からない。 しかし、人間に正体が知られるという事は過去の二の舞になる可能性がある。 彼女にとって、それは避けたかった。 それでも、芹沢がこの事を他の者に知らせるような事があれば…。 「私が奴を消す…」 美桜里の緋い瞳がスッと細くなる。 一瞬、緋い双眸が金色に変わった気がした――。