美桜里はそんな彼から視線を外すと、今まで尚孝に奪われていた刀を取り返した。 そして、外に通ずる窓に足をかけた。 飛び降りる前に美桜里はもう一度、陽真に視線を向けた。 「じゃあね、陽真」 陽真は片目でしか見えなかったが、一瞬彼女が哀しい顔をしているように見えた。 「美…桜里…」 彼が名を呼んだ時には、彼女は闇へと消えていた。