「ふんっ、敬語取れてるぞ。沖田」 「へっ?…あっ!」 「馬鹿だな、お前は…。まあ、私は今のお前の方が良い」 沖田は訳が分からず、疑問符を浮かべた。 「沖田、私に敬語は使うな。さんも要らない」 「何言って――、っ!?」 すると、彼女の身体が微かに震えていた。 泣いているのだろうか――? 「分かったよ、美桜里」 沖田は頷くと、黙って美桜里を抱きしめていた。 そんな二人を土方は物陰から何も言わずに見つめていた――。