『はぁ〜なんとか間に合ったね』


ナツメくんが制服をバタバタさせながら椅子に腰をおろした。



『そ、そうです…ね…』




私も机に倒れこむように座る。



…つ、疲れた



さすがに野球部のキャプテンをやているだけあって、足も速いし、体力もあるナツメくんは、あまり疲れたような顔をしていない。



なぜだか、それが、少し悔しかった。



『てか、朝比奈さんさ、今まででたくさん男子と付き合ってたんだよね?何で今更女子の友達欲しいわけ??』



そう言って、隣で不思議そうな顔をするナツメくん。



『……それ、嘘ですから。てか、私に関するたくさんの噂のほとんどは、嘘なんです…私まだ…………なんです』


恥ずかしくて口籠もる私。


『え?』



『だから!私は、まだ誰とも付き合ったことないんですってば!!何度も聞かないでください!!』


つい、声を荒げてしまった。



『え…?マ、マジ?』



『マジです!それに、私のこと、男好きって、噂する人いますけど…はっきり言って、苦手なんです!!それに、人の彼氏とったって言うのも…私から告白したことは一度もないですから!!てか、私告白したことないんですよ!?』


言い終わると、はぁ、はぁ、と肩で呼吸をしていた。