*ナツメくんと彩香さん



―――



『で、一体全体、何があったの?ナツメのあの様子だとケンカしたわけじゃなさそうだし…』




薫ちゃんの家にお邪魔した私は、すぐ様、薫ちゃんにそう問いかけられる。





私は、薫ちゃんに正直に全て話した。




水族館で彩香さんに会ったこと。



彩香さんがナツメくんを好きなんじゃないかと感じ、不安になったこと…。






そんな私の話を薫ちゃんは、真剣に聞いてくれた。






『―――……つまり、要約すると、水族館で彩香に会った里緒は、彩香はナツメのことが好きなんじゃないかと感じて…それに対して不安になっていた…と?』





私はコクリと頷いた。




『なるほどね〜、里緒は、彩香のこと既に知ってたわけね…私と真梨子の話、聞こえてたんでしょ?ちょっと、デリカシーなかったね…私…』




『ううん、そんなことない…ただ、私が勝手に不安になってるだけだから…彩香さん、スッゴクかわいかったし、優しそうだったし……私なんか足下にも及ばないよ…』




私は、俯きながらそう言う。




『そんなことない!里緒は、十分、かわいいし、優しい!………でも、まぁ、今回の里緒の勘は、当たり…彩香は、中学の時、ナツメのこと好きだった…』




ズキン




『そっか…』