「お前さ。」

木曜日。

悟志(さとし)がおもむろに口を開く。

「何??」

部活が一緒の悟志と、並んで帰る。

「万桜ちゃんと別れるとか言わないよな
。」

小学校から一緒にサッカーをやってきた。

多分、友達で一番長くいてお互いを知りつ
くしていると言っても過言じやない。

「………。」

「お前、すげー険しい顔してる。」

「………。」

「毎日、怖い顔してる。」

並んで歩きながら、空を見上げる。

まだまだ、明るい。

こう日が長いと、1日が永遠にも感じら
れるほどに。