「…………。」

なに、何を言ってるんだ。

「転校……。」

頭をかかえてしまう。

何で??どうして??

「パパが海外勤務になって、アタシ東京
の学校にいく―――。」

「悪い。」

万桜の言葉を遮る。

「潤…くん??」

「帰るわ。」

繋がった手を離し、振り返らずに歩き出
す。

俺を呼ぶ声が聞こえたが、足は止まらない。

何も考えられない。

万桜が転校。

万桜がいなくなる。