いつの間にか足は万桜の家に向かっていた。

「ん…。」

ゆっくりと振り返り、その顔を見つめた。

「あ、のね………。」

鼓動が早くて深く息を吸う。

万桜の口からどんな言葉が出てくるのか。

冷静に振る舞わなければいけない気がし
て、でも逃げ出したく自分もここにいた


「……ごめんなさい。」

何の??

「アタシ…。」

なぁ、何のごめんなの??

真っ直ぐ俺を見上げ、涙が今にも溢れそ
うな瞳で………こう言ったんだ。






「アタシ、転校する。」