「藤馬さん、目……」


「なに、わたるん。罪滅ぼしでもしてくれんのー?ご推察通りに失明しちまったよ、マジもんの失明。罪滅ぼしならてめえも同じく目を抉れや。これから、てめえはいくらでも傷つけるんだからよぅ」


生意気口な藤馬さんに五十鈴さんのチョップが炸裂したのはさておき。


藤馬さんの『これから、いくらでも傷つくことができる』という意味合いの言葉が身に浸透した。


傷を負うことができる。つまりそれは、もう僕にかかっている呪いはなくなったということであって。


短期的ではないことも先ほどの中指が消失したことで分かってしまう。


「おわった……」


「ああ?」


「もう、終わったんですね」


「ハッ、みっともねえ面だな」