「さて、本日はお話があって来たのですが」
改まった感じながらも、表情はあくまでもおだやかに喜美子は貞夫を見た。
「渉くん……ですよね。渉くんをあたしが預かるさい、そちらはそれ相応のサポート――いいえ、我が子を他人に預けるあなたは“当たり前の責任”を果たすようですけど」
サポート、つまりは養育費云々の話かと察しがついた。
養育費に関しては渉が成人するまで貞夫が払うことになっていた。
月々八万円。
相場にしたら妥当か多いぐらいなものであろう。
明子に関しても貞夫は『お前の子でもあるのだから』と、せめて渉が不自由ない生活を送れるように出したらどうだと言ってみたが、流産を機にパートを止めた今、明子は『払えるわけがない』と拒否をした。


