分かりやすかったのは近場にいた胎児。首の皮一枚を体現した体になっても、消滅はしなかった。
執念たる妄執。
なるほど藤馬の呪いを弾いただけもある。“これ”すらも、抗ってみせるだなんて。
「悪あがきだ、出来損ない」
無駄なあがきでしかないと、藤馬は胎児と目を合わせた。
はだける包帯。
いっそう怪しく煌めく眼光。
「此の目は鉤であり、オボ鉤、スス鉤、貧鉤、ウル鉤。忽ちに蝕み啼泣(ていきふ)す」
人に災いをもたらす呪詛の成立には、何かしらの所作が伴う。人形に釘打ち、あるいは人を指差すだけでも“不吉”となる。
「拙し、嫌しと死に急げ。卑し、恐ろしと逝き走れ」
不吉、なのだ。
その目を見るだけで死にたくなる。
否応なしに、何の例外もなく、疑問すらも持つ前に『死にたい』と――


