しゃしゃり出るなと、吠えた藤馬に“出来損ない人”たるソレが振り向いた。
ぐるん、と体ごと回る振り子だが――藤馬と向き合うなりに止まってしまう。
「中指斬惨、罰裁ち義――」
口では相変わらず呪詛を溢しながらも、どこか苦悶しているように思えた。
「――生厳儀戯、命落命牢怨怨怨」
抗うような響き。
続けられた呪いは何かに対抗するようであり、
「国つ罪と、生膚断、死膚断。此の災、蠱物する罪に因りて其の身へ悲しぶ」
相対するは、洗礼たる声。
藤馬には似つかわしくない音色を含んだ一字一句が、胎児の体を“引き伸ばす”。
ぶちぶちと、鈎針でも引っかけ引っ張るかのような肉の伸び。
渉の目だけでなく、五十鈴の右目ですら捉えられない何か。
皮を剥ぐような鈎針、肉の綱引きをするかのように“いっぱいいっぱいに”伸びた皮が裂けていく。


