「う、あ……!」
片足にかかる重みに耐えきれずに渉の体が倒れる。
その入れ違いで立ち上がったそれを一言で言うなら、“胎児”。
大きさは成人男性より遥かに大きいものの、四肢のバランスが悪い。
大きな腹を真ん中に、右足左手が短くて、右手が長く、左足はそもそも足首より下がなかった。
成長しきれなかった胎児。子宮からそのまま掻き出された肉を集めた継ぎ接ぎ人形。
立てるわけがない体でもまたそいつも“吊るされたまま”でいるらしく、首から上を折って、その姿勢を直線のまま保っていた。
ギィ、ギィ――
ひきつった音と。
「……ざ、……ぎぎ……ん。しょく……」
ぼそぼそと息継ぎなしで早回しのように何かしらを口ずさむ声。
眼球も舌もない、くり貫いただけの顔にできた穴から黒が覗く。虚無へと続く暗闇がまるで吐瀉物のようにぐるぐると混ざっているようだった。


