「一体一体いびり殺してやりてえが、めんどくせえ。時間かけてらんねえから、一気に駆除してやんよ」
開かれた扇の側面が呪物たちに向く。
黒地に赤い彼岸花。
「見たな」
その結果を今まさに味わう呪物たちを、藤馬は嘲笑した。
黒い銅像と同等の奴らが、さもいい見せ物だと藤馬が扇を持つ手を下げる。
「ガキ、さっさと離れろや」
疎むような言い方で、渉が体を動かせば簡単に拘束が解けた。呪物たちが何かを言いたげに揺れているが、渉の行動を制することはない。
「聞こえねえのか、タコっ。邪魔なんだよ」
疎む乱暴な言い方は聞いていていい気分はしないだろうに、渉にしてみれば。
巻き込みたくないんだ、との遠回しを解読した。


