中指斬残、捌断ち儀



藤馬と紙切れ(ヒトガタ)を間違えるだなんてよっぽどだが、それは“人間の観点”だ。


人間ならば、視認し攻撃。けれどもこの卒塔婆の発生条件が『入れば攻撃』という大雑把なものであれば、その感知に“騙し”を加えることも可能ではないのか。


無論、こんな芸当は藤馬にしかできないだろう。たった一枚の紙人形で危機を脱するなど――反則技を駆使する男にしかできない。


「さて、ちゃっちゃと終わらせるか」


天罰はもう手詰まりか、卒塔婆の轍を背後に残し、口を歪ませた藤馬に影が震え上がった。


出目をギョロつかせ、奇怪な声をあげて狼狽もしているよう。


最初の優劣が大きく変わる。恐怖を与えていたこの呪われた地の住人が、別次元の恐怖に怯えた。