「藤馬さ……っ」
テリトリーに入ってきた藤馬に駆け寄ろうとする渉を影が拘束する。
「んだよ、揃いも揃って子供庇う親か、てめえらは。これじゃあ俺悪役じゃん。――ハッ、大歓迎」
こうして悠長にしている間にも、命を奪わんとする天罰が下っているというのに功を奏しない。
決して不発というわけではないが、肝心の目標を捉え損なっていた。
貫かれたのは白い紙ばかり。藤馬が歩く一歩後ろにぽてりと横たわったそれは、人形(ヒトガタ)の形をしていた。
無惨に塵芥と化す消耗品。それに渉はあることを思い出していた。
“身代わりだ”と藤馬と話した思い出を。
年月から言って、あの紙人形が渉の切り抜いた物な訳がないが、効力は変わらず存分に発揮しているらしい。


