中指斬残、捌断ち儀



『なかゆび』


『斬残』


『なかゆび』『斬残』


輪唱が合唱となる。


呪われた祝詞の裏に逃がさないとの文字が付着しているようだった。


「やめっ、離せ……!」


拒んでも絡み付く。

多勢に無勢もさることながら、腕に骨は通ってないのか軟体生物のようにまとわりつく。


その過程、ひやりとした気配を感じた。


固い感触が腕先をなぞる。何がと見るまでもなく、渉の前に立ったそいつが見せびらかすように稲光をする刃を見せつけた。


ちゃきん、ちゃ……きん。



二枚刃が擦れた音が背筋を凍らせた。


ずいぶんと違和感ある代物は鋏。大きさは片手分ほどでそれなり。銀色の刃物は研ぎ澄まされていて、切れ味なんか――指一本ぐらい楽に切れそうだ。