中指斬残、捌断ち儀



「天国って、え?さっき、首花の地位にいるとかなんとか……」


「“死んだ程度のことで”、あの人が首花という偉大なる地位から外されるわけもありません。名簿にはまだあの人の名前もありますし、死に絶えたことで、次は天上から頭冠様に奉公して――いいえ、『体幸会』のために動いてくれているのですから、ええ、まだ“いますよ”」


いますよの部分で、喜美子は己の胸に手を置いた。


死んだ人は心の中で生きているとも言いたげな、ピュアな真似でも、鳥肌が出てきてしまう。


異常だ。
頭冠様とやらに洗脳されているのかと思えど、喜美子からは被害者の面持ちがまったくない。


これこそが人生と胸を張り、死んだあとでさえも、『天上から奉公する』と意気込んでいるのかもしれない。