それに渉は違うと言いたがったが、五十鈴の呻きを聞いてそちらを見る。
卒塔婆の洗礼。
五十鈴の体を縫うように、もしくは抉って、彼女の行動を封じていた。
「いす……っ」
「今行くっ、だから待ってろ!」
強がりだった。
動けないのに何とかして抜け出そうと試行錯誤しているみたいだが、体を動かすだけでも寿命を縮めているだろうに。
「なん、で……」
もう、悲鳴をあげないんだ――
痛いって見るからに分かるのに、顔にも出さない。果ては虚勢を張ってまで、必ず助けに行くと吠えてみせる。
痛ましかった。
だから、言いたくなったんだ。
“僕なんかのために、もうそんなことしないで”と――


