高さがある組み木のそばには五段の足場があった。階段状のそれは二人ほど横並びに歩ける幅はあろう。
高さにしてみれば低いだろうが、それでも“縄には届く”。
「っ……」
嫌でも察してしまう、これから起こること。
何よりもあんな忌みたる群集の中に渉を置き去りにすることはできないと、五十鈴は躊躇うことなく目の前の境界線(しめ縄)を跨ごうとしたが――縄に触れただけで、天罰が下った。
天罰であった、正に。
天から降り注いだ、罪への報い。
無数の卒塔婆が五十鈴の行く手に立ち塞がった。
「なっ」
寸でのところで手を引けば、指先を切るだけで難を免れたが――やり投げのように地に突き刺さる卒塔婆の威力からして、下手をすれば手を寸断されていただろう。


