中指斬残、捌断ち儀



渉を取り囲む群集。ざわざわと木の葉のように揺らめき立つ影が、口々に輪唱する。


『なかゆびざんざん』と高くあどけなく。

『中指斬残』と低く厳かに。


その歌を初めて聞いたものの、良くないことの前触れだとは直感からして分かった。


その輪の中心に渉がいるならなおのこと、更に付け加えるならば、しめ縄の内側には絞首台があった。


鉄棒のような組み立て方をされた、やけに高さがある木材の造型。見ようによっては物干し竿だが、垂れ下がっていたのは呑気な考えを出させてくれるものじゃない。


縄の輪。
大きいわっかを挟むようにして、小さいわっかが二つ。


用途に関してはこの世界の気味悪さが物語ろう。


だから、一目で絞首台だと見抜く。