中指斬残、捌断ち儀



瞳孔が萎縮する気分を味わった。


あまりにも的はずれな言い分に、ふざけるなと怒る前に、『迂闊なことを言うな』と脳内が喜美子に対して言える言葉を選び始めた。


宗教団体にはまだ入り、それなりの地位にいる喜美子なわけだが。


「その……、旦那さんのお仕事、は……?」


藪の蛇でも相手するかのような恐る恐るを、喜美子は鼻を鳴らして、貞夫を媚びる下の者だと高みにいるような姿勢を保っていた。


「三年前、頭冠様の天上へと奉公に出ました」


ものさしでも入れたような伸ばした背筋が圧迫感を出しながら言われたことを、貞夫が理解できるわけもなかった。


「天上?」


「あなた方が言うところの天国といったところでしょうか」