中指斬残、捌断ち儀



吐き気を覚える世界の毒気にやられた五十鈴は、そのまま昏倒でもしてよかったが――少年の叫び声で覚醒した。


「わた……!」


どこに、と辺りを見回すことをして、初めて知ったことがある。


なんで気づかなかったと言えよう目の前にしめ縄が横切っていた。


太い縄が僅かにたゆんで弧に下がる。ふやけた笑顔みたいな線は、サークルを作っていた。


円の字の縄張り。
この中には何人たりとも立ち入るなと注意書きなくとも分かる重々しさがしめ縄にはあった。


しめ縄を超えた瞬間に罰が下ると容易に想像できる。儲けられた間取りはきっと神聖な場所であるんだろうが――


「渉っ!」


その中にいた少年が泣いていれば、とてもじゃないが聖域には見えない。