中指斬残、捌断ち儀




「あー、だりぃ」



提示通りに脱力した声は場違いでしかないものの、渉共に五十鈴とてその“何でもなさそうないつもの日常”を見つけたようで安堵する。


首は仰け反ったまま、立ち上がる高い痩身。羽織に乗っていた石灯籠の残骸がからからと参道に落ちていき、藤馬はそれをぽっくり下駄で踏みしめた。


がくん、と首が前に出る。猫背を更に丸めた姿勢は、図らずも中指の犠牲者と同じように見えるが藤馬はすぐに首をあげて、ポキポキと鳴らす。


「そりゃあさー、ああ、あんだけボコりゃあ、親御さん黙っちゃいねえわな。アテクシのムチュコをいじめるなってか?お人好し死神同様に、やっぱ、何がなんでも止めたくなるよなぁ」