「とう――っ」 それを間近で見ていた渉が声を上げたことで、初めて時が動いたような気がした。 一瞬のはずが、まるで何年も経ったかのような白昼夢の気持ちとなる。 あり得ないと思った。 ――だって、藤馬さんだぞ? “訳も分からない内にやられてしまった”だなんて、そんな訳ないのに――