中指斬残、捌断ち儀



強ければ強いほど、スピードがあればあるほど、一種の交通事故にも見紛えようその惨状において、藤馬は背中から石灯籠に激突し、破壊した。


悲鳴代わりの石が砕ける音。くの字から仰け反った姿勢に変わった藤馬が、この時初めて口から体液を出す。


赤色の体液。
内臓損傷を露呈するかのような痛々しい赤が、瓦解する石灯籠に付着した。


「かっ――」


遅れてきた嗚咽が、一瞬(事の次第)の終局を飾るようだった。


藤馬の体が、砕けた石灯籠に貫かれるような状態で沈黙する。先が『く』なら今は『へ』の字でも言うべきか、残骸で突き上がる腰部分は安穏には程遠い。


寝るには適していない、しかしながら当の人は眠ったまま。 ぴくりとも動かずに――


それこそ、“死んだように”。