取り戻しつつある自身の本意が、嬉々として足に出た。
痛めつける喜び、傷つける嬉しさ、苦悶たる表情を上から見下すこのポジション。
「いいわ、やっぱてめえはぁ!俺の見立てた通りだな、おいっ。もっと苦しめよ、死にそうなほどに……!こっちは殺す気でやってやっからようぅ!」
相手の不幸を望むならば、殺す気で。
“これぐらいの殺意がなきゃ、まったく意味を持たないから”と藤馬が渉を傷つけるその背後で、五十鈴が自身の手で地を殴った。
「――」
神経全てが縮み上がり、捻れ切ったような錯覚。悲鳴を出せぬほど意識が剥奪され、ぐらっと思考が白一色になったが。
「ぐぅ……」
それで、いい。
脈打つ手を握りしめて、その痛みを噛み締める。
脳内の活動域が痛覚にしか及ばなくなったところで、五十鈴は“横たわる鋏を見つけた”。


