ただし、理解はしていた。
藤馬の言葉を借りるならば、ことの重大さというやつを。
ただでは済まない。
どう転んでも奈落に落ちる位置に立たされることであろう。
だったら、この件が露見しなければいい話だが――五十鈴の性格からして、自身がやった行為を揉み消す真似はしないだろう。
必ず、自ら名乗り出る。殺人を犯した罪を告白し、それ相応の処分を受ける――いや、“処分される”であろう。
甘い考えなどない、もしかしたらと淡い期待も抱いていない。私がやろうとしているのはつまり、やってはいけない禁忌なのだから――
「っ、それがどうした!渉を傷つける貴様を葬れるならば、安いものだ!」


