いつかの記憶が答えてくれる。
『僕は、藤馬さんを友達だと思っています』
あの日の思い出が語りかけてくれる。
『藤馬さんは、僕の家族です』
「……、馬鹿が」
いったいどっちだよ、と吐き捨てた後に首元に冷たい感触を感じた。
「渉の呪いを解け」
かちゃり、とした金属音に相応しい冷たい声だった。
後ろを振り返らずとも、今現在、自身がどんな状況下にいるのかは肌から把握できる。
首元――サイドから首を挟み込むような鋭利な刃の口が半開きになっている。
寸断の形を為した刃は、鋏と呼ばれるものだが、規格外に大きなこれは通常の鋏と大きく使い道が異なる。
魂の伐採師。
肉体に囚われた魂を解放する死神の鋏なわけだが。


