明子と義理両親が行く親戚回りに、やはり渉を連れていけないそうで、丸一日開けるわけでもないからと、渉はお留守番をしていたところだった。
子供部屋に行き、寝ているのを確認したため、貞夫は起こさないように一人でリビングにいた。
離婚届を折り畳み、テーブルの隅に置いたあたりで、明子たちが帰ってきた。
お歳暮でも貰ったか、靴を脱ぐ際にビニール袋やらの音が目立つ。
自分がいることは既に連絡してあるし、玄関先にある靴でも分かるだろうと貞夫は出迎えず、ソファーに座ったままでいたが。
「……」
ただいまも言わずにリビングに入ってきた者が四人いたことで、貞夫は肩を強張らせた。


