「――と、すまない。これから学校なのにな。引き止めてしまって」


クールダウンした五十鈴さんが言うことに僕は首を振った。


「いえ、まだまだ余裕はあるんで。それにプレゼント貰った手前、すぐに立ち去るだなんてマナー違反でしょうし……」


言いながら、これではさも、五十鈴さんと一緒にいたいのは体裁上のためと何だか冷たい返し方だったと言葉を切る。


けれども八割方出た言葉で十分、五十鈴さんが眉根を寄せた。


「マナーを守るのはいいが、私たちの仲はマナー云々がなっていない程度で壊れるわけがないだろう?

私の都合でお前に不都合があってはならない、無理しているようなら本当のことを言って、すぐにそれをやれしろだ」