中指斬残、捌断ち儀



彼らしいことだと携帯電話を閉じたところで――鈴の音を聞いた。


驚くに値しない、もう慣れた藤馬さんの春夏秋冬家改装計画の一端の鈴音だった。


風車をつけただけでは飽きたらず、『この家、呼び鈴ねえから』とかで藤馬さんは入り口に鈴をつけた。


鈴をつけたと言っても、誰にも見えない場所に。呼び鈴とか藤馬さんは言っていたが、僕のイメージでは易しい警報器。


家主、あと藤馬さんもか。この二人以外の人物が家に入ってくれば鈴が『誰か来たよー』と教えるようにリンと一鳴りする。


つまりは、もうさざめきさんが帰ってきたんだろう。


寝なさいといわれたのに布団から出てしまえば、ばつが悪いとそそくさと布団を被る。


呼び鈴があったところで何の意味もないと思っていたが、まさかこんな場面で助かったと思うだなんて。