中指斬残、捌断ち儀



――


家に帰ったあとになって、さざめきさんから貰った箱菓子を無くしたことに気づいた。


多分は、階段のところに落ちているか。


「そういえばさざめきさん、アタッシュケース……」


僕を寝かせ、布団横で正座するさざめきさんも手ぶらだったのを言えば、さざめきさんが首を傾げて、ぽんと拳で手のひらを叩いた。


「イリュージョン100%」


「……」


「内訳、消えた70%。気づいたらない20%。そもそもなんだっけそれ10%」


「……、イリュージョンとはほど遠い内訳ですよ」


さざめきさんのも階段にあるんだろう。箱菓子しかなかったぐらいだし、貴重品はないから性急に拾いに行くこともないだろう。