中指斬残、捌断ち儀



「……。自覚はなくても、体は正直にできている」


何かを察したさざめきさんの言葉も、結局は“自覚がないからこそ分からなかった”。


更に深く聞けば分かるだろうかと思えば、さざめきさんの足が止まる。


階段の終わり、僕が初めて見たときと同じように風車が回る庭を驚いて見ているようだった。


「あいつめ……」


うらめしいような低い声を出したあと、さざめきさんが携帯電話を貸してほしいと言ってきた。


「僕の番号、登録するから」


とのことで。

特に嫌と言う気持ちも芽生えないので渡せば、僕の尻下を支えていた片手がなくなる。すこし体が沈んだが、さざめきさんは重そうな素振りも見せずに片手で携帯電話をいじる。