「子供をあやしていた。小さな赤ん坊を」
「……」
赤ん坊なんていなかった。確かに子をあやす揺りかごみたいな姿勢でも、伯母さんは何も抱き締めてなんかいなかったのに。
一番楽しかった時期。赤ん坊をあやすとなれば、あれは伯母さんの本当の子供なのか。小さいときに亡くなったとは聞いていたけど、伯母さんにとってはその赤ん坊をあやす時間が一番幸せだったのかもしれない。
「でも、どうやってここに……」
「ここがあの人の居場所だから。あそこであやすのが日課だったのかもしれないな。森林の中、涼しくて、麓を一望できる。セラピーに使えそうな落ち着く場所だ、赤ん坊にも味わってほしかったんだろう。かごめかごめを子守唄代わりにするのは少し変わっていたが、何かに影響されたのかもしれないな」


